7 PHOTOGRAPHERS' STORY of Instyle Photography Center

7 PHOTOGRAPHERS' STORY
写真展 「INFINITY」

2011年5月31日(火)~6月12日(日)
13:00~19:00、最終日は18:00まで、会期中無休、入場無料


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写真のこと、写真家のことをもっと知ってほしい。オリジナルプリントをもっと楽しんでほしい。
そんな思いから集まった写真家7人が開く写真展です。
展示された作品は、すべて買うことができます。また今回特筆すべき点は、最近メジャーになりつつあるエントリープリントです。若い人でも購入出来るエディションなしのプリントも展示、販売します。
写真家参加によるトークショーなども企画していますので、みなさまお誘いあわせの上、是非ご来場ください。

INFINITY 2011

写真家の撮る作品はすべてセルフポートレートなのではないだろうか?
面白いほど、どの作品もその写真家の顔をしている。
原点、ターニングポイントに焦点を絞った今回の展示は写真家自身の本当の顔が現れる結果になった。
INFINITYに集まった写真家たちの共通点は、誰もがキャリアを開始した時から作品を撮り続け、写真展を開いてきた人たちである。ほとんどの人が写真集を出版し、個展を開催し、作品を世の中に提示する事によって自らのキャリアを作って来た。

僕にはこの人たちがなぜ、評価されているのか判るのだ。自分と戦う事、自らの力で世界に出て、経験から自分の写真を導き出す。そして勝ち取って来た報酬こそが、写真の魅力になり、備わって来る。それこそが僕が思う、作品はセルフポートレートと言う事なのだ。

そして、僕らの後に続く若者たちにも、作品を撮り、写真を手に入れることが出来る喜びや、文化を作っていきたいと思う。そのための適正な価格設定や、写真家自身のストーリーを共有出来るという新しい形があってもいいのではないか?

そんな提案に賛同してくれた写真家の有志がこの写真展のために集まった。
今後も日本が平和な国で、写真を愛するすべての人びとが、夢を持って写真を楽しめる世界を作っていきたいと思っています。

INFINITY 代表
写真家  小林幹幸


今回の写真展のメンバーは、雑誌や広告写真の世界で活躍する7人です。そして、それぞれに強烈な個性と魅力をもった人物です。作品撮影に取り組むことによって、彼らの写真は成熟し、魅力を増し、それは仕事の写真で人々を惹きつける力にもつながっていったのです。
その原点にストレートに触れられる場となったのが、写真展 INFINITY。
今回の展示では、作品だけでなく、作家本人のことも深く知って欲しいという思いがありました。7人の写真家たちの世界観にもう一歩踏み込み、感じ、写真のなかで旅をする。そして、選んで手に入れた1枚の写真が、また新しい旅に誘ってくれます。ちょっとだけ幸せな時間をくれるのです。

中村絵里子(編集者)


参加写真家

ワタナベ アニ
デザインが考えの基本にある彼が撮る写真は、彼独自のデザイン感覚が漂っている。
ユーモアと残虐性、暴力とやさしさ、冷たさと温もり。
もともとコマーシャルの世界にいた彼は、目の前に広がるものを縦横無尽に切り取っていく。
今までどんな写真家さえも考えたことのない手法で。計算と感覚が入り交じり、誰も見た事のない世界観が出来上がる。相反する要素を取り込むさまは彼の生き方、性格そのものに見える。
写真とデザインの垣根をはずしたら、写真はこんなに自由になれるのだ。


舞山秀一
舞山秀一は、ファッションやタレントを撮影する。日本における第一人者であるが、彼ほど作家指向のある写真家はいない。彼は近年毎年のように作品展を行い、作品を世の中に問うている。彼は出会った人に正面から向き合い、時には話しかけ、打ち解けた瞬間にシャッターを切る。自分は肖像写真家、という彼の原点がここにある。
トルコ、アイルランドを旅した時の二度とまた撮る事は出来ないであろう写真。出会いを大切にし、共有する時間を大事にする事。
モノクロの世界に閉じ込められた瞬間は、鏡に映った彼であり、見る人にとっては、まだ見ぬ友人、どこかで会った人、心の中の恋人に変化する。
彼の写真は肖像写真の面白さに溢れている。


魚住誠一
あの夏、少年たちはどこに行ったのだろうか?誰もいない海。アメリカの匂いの残る風景。トポロジーの裏には日本の抱える悲しい問題、未来への提言が含まれている。1945年初夏の空に散った少年達への思い、あの人たちの生き様があり、いまの日本がある。彼は自分の祖父が沖縄で参戦していたことを知り、沖縄を撮ることにのめり込む。
赤外線の写真とポートレートのデイライトシンクロの共通点は、あの空に浮かぶ雲。平和への祈りを胸に彼は写真を撮る。


北島 明
現在流行のファッション写真の方向性を決定づけたひとりである。その独自の感性は、ファッションを撮り始める前から写真作家としてスタートしていたことに由来する。ファッションの世界は構築の歴史である。数々の流れの中で本流になっていく事。これこそが挑戦でもありファッション写真の面白さである。
彼は「291」というギャラリーを開設した歴史上のマイスターへのオマージュに焦点を当てた。世阿弥や彼が心惹かれる日本情緒を、その一枚に凝縮させたのがこの作品である。野口アヤがディレクションするBalconyのために撮影された本作はリメイクを超え、ひとりの写真家の生き様に昇華されている。崇高なる画面の奥に、尊敬する作家と彼の人生が重なっている。


中村和孝
彼の写真のルーツはロンドンの生活にあった。スタジオを出た彼は、次の生活場所としてロンドンを選んだ。彼は日本の生活で失ったピース、欠けていたピースを探し求めた。
ファッション雑誌で活躍する彼の作品のベースには、彼が放浪中に見つけた孤独、優しさ、愛があったのだ。アート性と融合する魅力的なピース。中村和孝の自分探しであった。写真は自分自身の心の写しにほかならない。彼の写真は、写真の本質を訴えているように見えるのだ。


小林幹幸
風景と人物。一見脈絡ない彼の写真にあるのは天使感だ。天使、まさしく彼の写真の中に天使は存在する。風景の中にも、スクールガールたちの表情の中にも、ファッションとして撮影されたウエディングドレスの写真の中にも。写真の中に映っているのはありふれた景色だが、どこか崇高な光を放つ。人間的には自分は写真ほど純粋ではない、と彼は言う。彼の写真は、きれいな物を集めるのではなく、世の中の不純な物を精製して作り出される。世の中にある不条理や汚れた物をろ過し、一枚の写真に仕上げる。夢だけを集めているのではない。彼の写す美しさの結晶は、世の中から抽出した純粋な水の雫のような物かもしれない。


半沢 健
自分が変われば、目の前の世界は変えることができる。彼の写真を見て思うのは、そんな不思議な感覚だ。かつてどこかで出会っていたような風景、もうひとりの自分が呼び起こされるような感覚。小さな勇気の積み重ねがこんな誰も見たことがないような、それでいてその場所に存在していたような不思議な光景の写真を生んだ。世界中を旅して、人と出会い、そこから感じとる力を身につけていった彼。自分が変われば外の世界はどんどん変わる。精神の中の地平線には限りがないのだ。

(順不同)